名栗に、ベーグルの人気店があることをご存知でしょうか?
今回ご紹介する、Lotus Bagel (ロータスベーグル)さんが、そのお店。一度食べたらやみつきの、ふっくらもちもち食感が人気のヒミツです。
3年前のオープン以来、このお店を1人で切り盛りされているのは、市ノ瀬さん。名栗小学校に通う息子を持つママでもあり、Uターン移住者でもあります。
聞いてみたいことが、あれこれたくさん。
インタビュアーは、名栗に暮らして11年の柏木です。
市ノ瀬さん、今日はよろしくお願いします!
タイミングがピタッと重なって
ーー 市ノ瀬さんは、名栗のご出身なんですよね?
そうなんです。22歳まで名栗で暮らしていました。高校を出て、池袋の調理師学校に進んだんですけど、そこにも名栗から通ってて。就職して、しばらくしてから実家を離れることにしたんですけどね。
ーー それで、都内に出たんでしたっけ?
しばらくは、飯能市内に3姉妹で暮らしていて、そのあと都内ですね。やっぱり、一回都内に住んでみたいっていう憧れはあって。それから、結婚して、夫と暮らすようになって、子どもが産まれたりもして。転々としながら、ちょっとずつ都心からは離れていったんですけど。
ーー じゃあ、そのだんだん都心から離れていく流れの中で、名栗に?
そういうわけではないんですけどね。結婚した当時は、夫は「オレは田舎暮らしは絶対イヤだ。」って言ってたんですよ。でも私は、良い環境だなあって思ってたから、いつか帰って来たい気持ちはあって。
やっぱり子どもが産まれてからですかね。夫もだんだん考え方が変わってきたみたいで。やっぱり田舎も良いかもなあって話はするようになってたんです。
もともと子どもと本気で遊ぶようなタイプというか。それこそ川遊びに行ったら、もう何時間でも2人で夢中になって遊んだりとかしちゃう人なんで。
ーー じゃあ、名栗はぴったりですよね。奥さんの地元なら、なおさら。
そうなんです。やっぱり名栗いいかもな、みたいな感じで、ちょっと考えてたんだと思うんですよね。そんな時に、たまたま実家の隣の土地が売りに出て。え?じゃあそこに家建てる?って。言い出したのは夫の方からなんです。それで私は、よし!名栗に帰れるぞ!と思って(笑)
ーー すごくタイミングが良かったんですね。
その頃、ちょうど私も、都内の洋菓子屋さんの仕事を辞めたタイミングで。これからどうしようかなって思っていたところだったので。じゃあ、名栗で自分でお店を開いたらどうだろうって。ほんと色んな事がピタッと重なったんですよね。
イメージで作りあげたベーグル
ーー 自分のお店をベーグル屋さんにしようというのは、すぐ決まったんですか?
そうですね、割とすぐに決まった気がします。名栗で日常的に食べてもらえそうなもので、これまでの経験を活かせそうな。でも、1人で手の届く範囲でやりたいっていうのもあって。あ、ベーグルいいかもってひらめいたんですよね。
ーー 他に候補はなかったんですか?
他の候補は無かったかもしれないですね。ベーグルを作るとしたら、どう作ろう?って想像し始めたら、そこからどんどんイメージが膨らんでいって。頭の中で、すぐに出来上がっていったというか。
ーー そういう時、楽しいですよね! Lotus Bagelさんのベーグルって、生地がもちもちなのが、すごく特徴的だと思うんですけど、それも最初からイメージの中にあったんですか?
そうですね。それは、私が食べたいベーグルをイメージしてます。こういう材料使って、こう作れば、きっと美味しいんじゃないか、みたいな想像で。
ーー すごい、想像でそこまで出来上がってたんですね!それで、そこから試作ですよね。今お店に出しているベーグルが完成するまでには、どのくらいかかったんですか?
レシピ作りは、お店がオープンするギリギリまで悩みながらやってたかもしれませんね。1年ちょっとですかね。色んな粉で配合を変えながら試してみたり、発酵させる時間を調整してみたり。1日に1回しか試作できないので。
ーー 確かに、そうですよね。その発酵時間が、もちもちベーグルのヒミツだったりするんですか?
そうなんです、普通のベーグルより発酵時間と水分量を多くしてあります。やっぱり名栗の土地柄のことも考えて。お年寄りも多いので。普通のベーグルだと、こんなの硬くて食べられないって言われちゃうかもな、とか。結構辛口なおばあちゃんが多いの知ってたから(笑)
ーー なるほど(笑)
ジャージのままでドボン
ーー 名栗に帰ってきて、実際に自分の育った故郷で子育てしてみて、どうですか?
私も1回出たからこそ、改めて名栗の良さに気づいたところもあって。それまでは当たり前だと思っていた事も、たまに帰ってきたりすると、ああ、やっぱりいいなあって。
ーー それは、やっぱり自然の中で暮らすということが?
そうですね。私、けっこう野生で育ってきたので(笑) それこそ、中学校の部活の帰り道、友達と自転車で一緒に帰りながら、今日暑いねーとか言って、ジャージのまんまで川に飛び込んだりして。
ーー あー、いいですねー!田舎の中学生!
川で遊んだ思い出は、たくさんありますよ。あとは、子どもだけで山の中を走り回ったり、とにかく色んな遊びをしましたね。
ーー 良い思い出がたくさんあるんですね。そしたらやっぱり、自分の子どもにも、そういう思い出を作ってあげたいなって思いますよね。
名栗に戻ってきたのは、息子が4歳の時なんですけど、こっちに来てから逞しくなったなーって感じます。山の歩き方も知ってるというか、スイスイ登って行っちゃう。身体の使い方とか、やっぱり、遊んでるうちに身についてるんだなーって。
ベーグル屋さんの朝は早い
ーー お仕事と、育児を両立させながらの生活は大変だと思うんですけど、お仕事は朝何時から始まるんですか?
営業日(木・金・土)は、朝4時くらいから始めます。生地は前日に仕込んで寝かせてあるので、それを朝から成形して、茹でて、焼いて、ですね。
ベーグルは、茹でる!
ーー やっぱり朝早いんですねー!開店が11時でしたっけ?
そうです。なので、開店まで7時間。だいたい毎日15種類のベーグルを、180個くらい作るんですけど、休憩無しのノンストップでもギリギリです。
ーー その間に、家事もこなしながらですよね?
そうなんですよ。3時間弱くらいで、生地の成形まで終わらせて、それを休ませてる間に子どもを起こして、犬の散歩して、学校送り出して、そしてまた仕事に戻る感じです。
ーー わー、それは凄い。自宅兼お店だからこそ、ですね。あれ? でも、それでお弁当の日なんかはどうなるんですか?
過酷なんですよ(笑)その日は、ほんとに過酷で、犬の散歩を夫にお願いしたりとかして、弁当を優先させてます。
ーー それは、想像しただけで…(笑) でもやっぱり、ご家族がそばにいてくれるっていうのは、心強いですね。
本当にありがたいなと思います。お店は基本1人でやってはいるんですけど、夫には、Instagramでの宣伝もやってもらっていて、やっぱりそこまでは手が回らないので。
あと、ラッピングだったり、洗い物は母に手伝ってもらっています。私の朝食も、作業の合間で食べられるように作ってもらったりもしてて。
ーー ロータスベーグルには、ご家族の愛がぎっしり詰まってるんですね。
お母様の愛情朝ごはん!
こだわりベーグルができるまで
ーー Lotus Bagelさんのベーグルの美味しさの秘密というか、こだわっているところがあれば教えてください。
やっぱり、さっき話したようにある程度発酵させて作るということ。あと、名栗の水が美味しいっていうのも大きいと思います。
ーー 確かに。名栗の水、美味しいですよね。
やっぱり水はベースになってくるので大事ですよね。あとは、自分の子どものように良く見てあげるというか。やっぱり生き物だから、何か異変がないか、よく見て観察してあげるようにしてます。季節とか、気温とかによって、毎日全然変わってくるので。
ーー 素材とか、バリエーションについては、どうですか?
出来るだけ地元の素材を使用するようにしています。今だと、栗とか芋なんかは飯能で採れたものなんです。バリエーションは、しっかり決まってるわけではないんですけど、だいたい毎日15種類。そのうち定番が10種類 + 季節商品 + 気まぐれ、ですかね。
地元素材がぎっしり
具材を包んで、伸ばして
くるんとまるめたら
このカタチ
茹でて
トッピングして
焼いたら…
こんな写真見てたら、もうお腹が空いちゃいますよね。
お味の方は、実際にお買い求めいただいて、確かめてみてくださいね!
さあて、どれにしようかなー
市ノ瀬さん、お忙しい中、たくさんお話聞かせていただいてありがとうございました。
母として名栗に戻り、仕事に子育てに、毎日パワフルな市ノ瀬さんの作る美味しいベーグル、是非ご賞味あれー。
Lotus Bagel
所在地 | 埼玉県飯能市上名栗2969-9 |
営業日 | 木・金・土 |
営業時間 | 11:00~16:00(売切れ次第終了) |
@lotus_bagel |
では、私は一足先に、ベーグルいただいちゃいます。
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