子育て移住するなら、名栗で。

名栗で 子育て

あるがままでいられる

我が家が名栗に移住したのは、今年4月のこと。もうすぐ、名栗で暮らす最初の1年が過ぎようとしています。
でも、息子にとっては、2年目の名栗小学校。
家族で名栗に移住する以前、息子は1年間「小規模特認校制度」を利用して、飯能市街地から名栗小学校への越境通学をしていました。

今回は、私たち家族が、どうして名栗小学校を選んだのか。
そして、今、どう感じているのか。
実際に名栗小に通ってみて、心に残ったエピソードを交えながら、紹介しようと思います。

“あるがまま”でいられる学校

飯能市街地の小学校に入学した息子。しばらくは元気に通学していたのですが、次第に学校に行くことを嫌がるようになりました。 環境の変化、学習の遅れ、マイペースな性格など、あれこれ要因を考えてみましたが、自身もこれと言い表せない “何か” が、彼にフィットしていなかったのだと思います。

今後の進路について、毎日のように夫婦で話し合いを重ねました。そうして模索する日々の中で知った、小規模特認校制度。もしかしたら、少人数の方が彼の性質にあっているのでは、との想いから、名栗小学校の門をたたきました。

名栗小学校が作成している「特色ある学校」のチラシには、こんな風に書かれています。

「山と川に囲まれた、小さな学校のしなやかな挑戦」
〜1人1人の子どもが “あるがまま” でいられる学校を目指して〜


ここがいい!

名栗小に通うと決断したのは、息子でした。

はじめて名栗小で過ごした、学校見学の日。
その帰り道、ここで新たな進路が拓かれるだろうかと、期待と不安が入り混じった私に向かって、息子がひとこと。

「ここがいい!」

その理由について、小学2年生の彼の口からはっきりと語られることはなかったけれど、どうやらこの日、安心できる居場所を見つけられたようでした。

学校見学の中で、こんな場面がありました。
「ちょっとしんどくなった時にはね、ここでめだかを眺めている子もいるんだよ。 疲れたら、自分がほっとすることして、それで教室に戻ったらいいんだよ。」校内を案内しながら、息子に向かってそう語りかけてくれた教頭先生。 きっと不安な気持ちもいっぱいだったであろう息子の表情が、ふっとゆるんだ瞬間でした。


待っていたよ

そして、いよいよ迎えた転入初日。3学期の始業式の日でした。
吐く息も白く、かじかむ手をお互い握りしめながら息子と向かった学校の玄関口。 真っ先に目に入ったのは、こんなウエルカムボードでした。

ようこそ名栗小へ

今日から名栗小学校の仲間ですね。
名栗小学校のみんなも、先生達も、名栗の自然も、みんなで待っていました。

校長室へどうぞ


「みんなで待っていました。」という言葉に、息子の緊張と、不安な気持ちが、氷のごとく溶けていくのが、握った小さな手からも伝わってきました。

そんな温かな転入から1ヶ月後、疲れが出たのか、体調不良で初めて学校をお休みした息子。回復後、少し緊張気味に登校した彼を見つけると、教頭先生が飛んできて「なんだか久しぶりに感じるなぁ。会えて嬉しいよぉ。ギューッとしていい?」と笑顔で出迎えてくれました。照れくさそうな嬉しそうな、くしゃっとした息子の笑顔が忘れられません。
入学してくる理由も、背景も、慣れていくペースも、その子それぞれ。そのそれぞれをいつでも「ようこそ」と待ってくれている名栗小学校でした。


一緒にあそぼ!

3学期の目標に 「みんなと遊べるようになりたい」と書いた息子。

その日は、すぐに訪れました。 転入初日から「一緒にあそぼ!」と声をかけ、外に連れ出してくれるお友達。 「なんで来たの?」も「どうして前の学校やめたの?」も聞きません。 そこにいるから「一緒にあそぼ!」なのです。 満面の笑顔で校庭に飛び出していく彼を、校長先生は「本当にいい顔してるねー。」と、目をほそめながら見つめてくれていました。
久しぶりに、いい顔に戻ったのです。 (出会ったばかりの) 友達とじゃれあいながら、とても楽しそうにキラキラ笑っている息子が、そこにいました。


“今”の自分からスタート

成長がゆっくりな息子。ノートのマス目が小さくて文字が書きづらかった時、先生が大きなマス目のノートを用意してくれました。それを目にした他の子からは特に揶揄もなく、苦手なところをそっと教えてくれました。息子の心にあった「自分だけできない」「自分は下手だ」という気持ちが、「今はまだできない」に変わっていきました。自分ができるところ、できる方法から始められる学習の中で、段々と小さなマス目でも書けるようになっていった息子。少しずつ「できる」が増えていき、授業が楽しくなっていきました。


教えて!

分からないことがあると、みんなが教えてくれる。
「分からないってことはイケナイことじゃないんだ。」と教えてくれた仲間たち。
だから堂々と「教えて!」って言える。
そして、いつのまにか自分も教えられることができていく。

授業の作品作りで、クラスのみんなが互いに「いいところ」を書きあう。
自分では気がつかない「自分のいいところ」を誰かが見つけてくれる。
自分も誰かのいいところを見つけられるようになる。

そんなやりとりの中で、自信と安心感が増していった息子にとって、教室こそが「自分の居場所」となっていきました。




違っているままで

今年の春からは、次男も一緒に名栗小に通っています。

長男はランドセルに前の学校の校章入りの帽子、次男はリュックサックに名栗小学校の帽子で通学しています。
「みんなと違っていたら、からかわれたりするかしら?」 と、一瞬不安がよぎる私の横で、「何が?誰もなんにも言わないよ。」と笑う息子たち。「あぁ、そうだよね。違っていていいんだよね。」 本来なら当たり前のことを、2人を見送りながらつぶやく母でした。 あたりまえがあたりまえに守られる環境がうれしい。


もともとあるがまま

自然豊かな名栗。 四季折々を彩る植物も、たくましく息づく生き物たちも、1つとして同じものはなくそれぞれが己の生をまっとうしています。 そんな自然の中にいるからでしょうか、息子の周りにいる子どもたちは“違う”ものを攻撃したり排除したりするのではなく、ただただ「違うね」と受けとめ、傍にいてくれるように感じます。

そもそも赤ちゃんは、自分と他者との“違い”すら認識しておらず、この世に見事生まれ出た自分のまんまで泣き笑っています。 そこから“違い”に気づいていくのは成長の証なのでしょうが、それを「おかしい」ではなく「へぇ、 そうなんだ」と受けとめ、違うもの同士が全体として調和しているところが、名栗小の大きな魅力であると感じています。でも、「あるがままでいられる」なんて声高に言っているのは大人なのであって、もともとこの子達にとっては当たり前のことなのかもしれませんね。
校長先生が、初対面の息子に向かって真っ先に伝えてくれたのは、「嫌なことはイヤ、やりたいことはやりたいと言っていいんだよ。」ということでした。

息子の「ここに行きたい!」の言葉から始まった名栗での生活。 「あるがまま」の今の自分で、今日もめいっぱい遊んで学んで楽しめますように。

今日も名栗小の子どもたちは、自然の放つ色彩のように、色とりどりの表情を自由に放ちあっています。

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