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名栗で 暮らす

今宵、晩酌しながらインタビュー(1杯目/移住篇)

こんにちは。やまもとです。

妻と、子どもが2人。家族4人で名栗に暮らしています。

我が家が、名栗に移住したのは、2022年のこと。
上の子が小学4年生、下の子が小学校に入学する4月というタイミングでした。
移住から1年と少しが経ち、名栗の生活にもずいぶん慣れてきた今日この頃。思いつきで、妻のあやこさんにインタビューを申し込んでみることにしました。

子どもたちが寝静まった夜、晩酌しながらインタビューです。
晩酌1杯目の今回は、移住前後の出来事について振り返ってみます。

(なお、このインタビューは、今後の夫婦生活の品質向上のため録音されています)


今日も、おつかれさまです。


ーー今日もおつかれさまでした。

あやこ : おつかれさま。どうした?

ーーちょっと、インタビューしてもいい? 移住して、1年経って、季節も1周まわったところで、どうだったかなって。色々聞いてみたいんだけど。

あやこ : インタビュー?いいけど、何について?

ーーそうだなあ。とりあえず、どうですか? 今、幸せですか?

あやこ : あ、はい。そうですね。

ーーめっちゃ警戒してるね(笑) 普段通りでお願いします。ひとまず乾杯しよう。



やっぱり子育てがきっかけ


ーー周りに話聞いてみると、結構、奥さん主導で移住決めたってところ多いみたいだけど、うちは俺から提案したんだよね。最初に話聞いたときどうだった?

あやこ : 私もその頃、これから先ずっと都内で子育てしていくのか?っていうのは思ってて。それは、なんだろう、子どもにとって、逆に選択肢が少ないんじゃないかなあって。あのまま都内で暮らしてたとしたら、多分、中学受験して、進学校行って、みたいな流れになってたと思うんだよね。そういう、当然の流れ、みたいなものに対する疑問は感じてて。周りの友達がそうだと、子どもも、きっとそうしたいってなると思うし。そしたら反対する理由もないしね。

ーーそうだね。結局子どもに幸せになって欲しいわけだけど、それは、自分で選んだ道を進んで欲しいってことかなと思う。そのために、子供の時に見せてあげたいものはあったよね。

あやこ : あとは、やっぱり家の問題かな。やっぱ狭いなと。子どもが大きくなってきて、ちょっと限界がきてる。だけど、同じようなエリアで、これ以上広いですーってところ探しても、ちょっと払える家賃じゃなくなってくるし。だから、その2つの解決策として、遠くに引っ越すっていうのは良いかなって思った。

ーーそういえば、当時、物件サイト良く見てたもんね。

あやこ : そうそう。まあ、それは好きだからっていうのもあるんだけど。
それで、どうせ遠くに引っ越すなら多少不便になっても、面白い方が良いかなっていうのはあって。

ーーじゃあ、お互い同じようなこと感じてたのかもね。俺も、子どもを公園に連れて行ったってさ、順番守ってねーとか、ロープ次の子に渡してーとかね。あれ? 俺、今日、ルール教えにきたんだっけ? みたいな。なんか、ピリピリしながら子育てしてるなって、引っ掛かりを感じてた。

あやこ : ベースにちょっとピリピリ。

ーーそうそう、ベースにちょっとピリピリがある(笑)

あやこ : なんかほら、子どもって急に走ったりしたいじゃない。でも、人が多いと、やっぱり止めないといけなくて。ほんとは子どもにはのびのびしててほしいよね。あんまり細かいことを ガミガミ言いたくないし。けど、言わないといけない場面が多すぎて。周りも、ちゃんとそれをやってるから。
で、こっち引っ越して来て散歩してる時にさ、子どもが急に走っても、別に何も言わなくていいっていうのは、すごく楽だった。なんか、走ってるー。ははは。みたいな気持ちで、こっちが見れるっていう。

ーーノーリードで犬の散歩するみたいなね。あー、気持ちよさそうー、っていう。ドッグランでさ、 もう走れ走れー!今日はいいぞー!って。そう考えると、ずっとリード付けて子育てしてたんだよね。

あやこ : 私は、田舎暮らしするのって初めてだけど、なにしろ子どもにとって良かったと思うし、正直子どもがいなかったら移住まではしてないと思う。

ーーやっぱりきっかけは子育て面だよね。でも、初めての田舎暮らしで、移住後の生活って、どのくらいイメージ出来てた?

あやこ : いや、もう、全然出来てなかった。もちろん頭ではわかるのよ。何時に起きて、うん、こういう流れでっていうのはわかるけど。でも、実際、それでどんな感じって、わかんない。自分がどう思うかって、やってみないとわかんないじゃん。
でも、私自身のことに関しては、基本的には絶対イヤなこと以外は受け入れるスタイルなので。

ーー子どもに関してはどう? とはいえ、上手くいくか分からないじゃない?

あやこ : 子どもに関しては、やっぱり上の子が転校することになるから、馴染めるかどうか。もう友達がいる状態だったからね。 仲いい子と別れて、こっちで、うまくやれなかったら、みたいな心配もあったけど、その心配は、半々。まあ、でも、大丈夫だろう、というところで。

ーー人数が少ない学校に通うことになるから、そこのギャップに、子どもがどう反応するかは気になったよね。

あやこ : 最初、学校に連絡した時に、先生が、えー!すごく嬉しいですー!楽しみですー!みたいな話してくれたんだよね。なんか、すごく歓迎してくれてるっていう、あの感じがね、よかった。子どもの転入に関する心配を結構解消してくれたというか、なんか真心こもったところなんだろうな、みたいな感じはあったよね。

ーーその話は、俺も結構好き。我が子たちは、歓迎されに行くんだ!みたいな。転校初日も、よし、じゃあ、お前ら今日、歓迎されてこい!みたいなね。


ちょうどいい学校

ーー実際、子どもたちにとってはどうだったんだろうね。

あやこ : 転入から、半年経ったくらいで聞いてみたら、上の子はちょうどいいって言ってた。あ、ちょうどいいのか、良かったって。

ーー言ってたね。俺、今日給食の時間にたまたま学校にいたんだけど、みんな、わーって教室から出てきて、全員で準備するのよ。全員教室から出てくるからさ、あれ?子ども結構いるじゃんって思っちゃった。慣れればちょうどいい。

あやこ : なんか、子ども同士もさ、人数少ないから、同学年の女子だけで固まるみたいなことも、あんまりないじゃない。遊ぶ時なんかも、学年、男女関係なく、みんなで遊んでる感じがするから、それもいいなと思う。

ーーこっちも、全員子どもの名前知ってて、なんとなくどういう子っていうのも知ってるしね。なんかもう、全員我が子みたいな気がしてくる。放課後、一緒に野球したりもするしさ。

あやこ : みんな可愛いよね。いつでも遊びにおいでー、みたいな。実際、ちょくちょく泊まりに来たりもするし。ほんとにちょうどいいのかもしんない。子どもの社会では、特に。

ーー少人数だと、派閥みたいなものも生まれないのかもなーとも思う。派閥に分かれるほどの人数じゃない。分かれちゃったら人数足りない(笑)

あやこ : 確かに(笑) あと、やっぱり、先生たちが、一人ひとりの子どものことを、ちゃんと見てくれてると思う。それは、子どもからしても、自分のことを、ちゃんと分かってもらえてるっていう安心感があるんじゃないかな。

ーー安心感は、幸せの土台だもんね。


俺たちの転入

ーー学校への転入で言うと、実は俺たちもすごく良い転入ができたなって思っていて。

あやこ : あー、そうだね。最初の保護者の集まりで、誰がどういう人か全部教えてくれたもんね。私たちこういう人です!みたいな。そういう迎え入れ方してくれた。

ーーそうそう、あ、そういうコミュニケーションなんだ!って思った。全学年の保護者合わせて、ちょうど1クラス分くらいの人数でさ。自分たちも転校生みたいでね、休み時間にまわりに、わーって集まってくるみたいな(笑)

あやこ : 最初優しくしてもらえたから嬉しかったよね。君も学校行事に参加するようになったし。

ーーそうそう、前は、学校の保護者の集まりとか極力行きたくなくて、全部任せっきりにしてたよね。でも、名栗のコミュニケーションは、居心地いいから、最近は呼ばれると、すぐ顔出しに行っちゃう。

あやこ : 私は、それですごく楽になった。例えば何かの行事に、ただ出る、じゃなくて、他の保護者の人とコミュニケーション取るレベルでこう、参加するってことはなかったじゃん。

ーーそういう意味では、子どもだけじゃなくて、親ものびのび出来てるのかもね。


我が道を掘る


ーー話の最初の方にあった、子どもの選択肢についてはどう?広がったのかな。

あやこ : それは、これからかもしれないけど、今まで知らなかったことを見せてあげられてるのかな、って気はする。自然が近いのもそうだけど、周りに、ほんと色んな人がいるから。自分で商売やってたり、作家さんがいたり、色んなライフスタイルがあるっていうことを実感として、ちゃんと見せられるっていう。

ーーそうだよね。こんな人もいるし、こんな道もあるしみたいな、当然こうだよねっていうのが無いよね。

あやこ : だから、みんな優しいのかもね。みんなそれぞれだから。

ーーこの道まっすぐ歩けば目的地、みたいな街は分かりやすいんだけどね。
でも、みんながそれぞれ、好き勝手に作った道がいっぱいある街はワクワクするよね。そこにさらに、自分の道を通したって誰も文句言わないじゃない。アリの巣みたいな。意外とそれが美しかったり、効率良かったりもするんじゃない。

あやこ : 移住の人だけじゃなくて、地元の人も、もともとそんな人が多い気はするね。

ーーあと、動物もね(笑) シカがいて、タヌキがいて。子どもが、せっかく植えた苗を全部食べられたり(笑)人間の都合だけでないところも面白い。

あやこ : なんだこの足跡、あ、シカだ!みたいなね。

ーーベランダのプランターでは起きない不可抗力みたいなのもある。そんなことも含めて、混沌とした感じというか、これをこうすればこうなるっていう計算で物事が進まない複雑さも、子どもにとっていいんじゃないかなって思う。

あやこ : シカから、社会を学ぶっていうね(笑)


次回は、あやこさんの働き方について!


ーーじゃあ次は、君の働き方、リモートワークについて話を聞きたいんだけど、とりあえずグラス空いちゃったね。もう少し飲む?

あやこ : じゃあもう一杯だけ。


つづく

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やまもと

なぐりで.編集長 / カメラマン

2022年に名栗に移住しました。妻と、2人の子どもと暮らしています。 普段は映像のカメラマンとして、主に都内近郊で仕事をしています。

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