子育て移住するなら、名栗で。

名栗で 暮らす

移住を選んだ私たち 〜池田夫妻のエピソード〜

自然に囲まれて暮らしていると、ふとした時に気づきを得ることがあります。
例えば、頭上に広がる木々を見上げたとき。
幾たびもの枝分かれを繰り返し、気持ちよさそうに陽の光を浴びる、その枝葉の様子を見ていると、まるで人生のようだなあ、なんて思えてきます。

人生は選択の連続。
いくつもの選択肢の中から、何かを選びとることは、とても複雑なことのように思えます。
だけど、陽の当たる方を選び続ければ、そこに必ず芽吹きがある。
心地よい方を選び続ければ、そこに出会いや、発見が待っている。

そう考えると、“選択する”という行為を、もっと楽しめそうな気がしてきます。

さあ、そんな人生の選択の中でも、“移住をする”という選択は、特に大きな決断のひとつ。

今回は、そんな“移住をする“という選択をした池田夫妻(成介さん、菜月さん)に、どんな芽吹きがあったのか、お話を伺ってみましょう。



生きる力を身につけてくれたら

成介:よろしくお願いします!そうですね、名栗に越して来る前は、勤務地に近い渋谷に住んでいました。でも、生まれは鹿児島なんですよ。大学に入るタイミングで上京したので、都内暮らしも長くなりましたけど。

菜月:私は、もともと東京で。北千住とか、東京の東の方です。

成介:そうですね、夏休みとか川に遊びに行ったりした思い出がすごく残ってて。だから、子どもが産まれるってなったときに「渋谷で子育てするの、どうかな?」というのがあって。でも、妻がそれを理解してくれるとは限らないじゃないですか。東京出身だし。だけど、ある時そんなことをポロッと言ったら、「めっちゃ分かる!」って反応で。

菜月:お腹に赤ちゃんがいることに気づいて、1週間後ぐらいには名栗の不動産屋さんを訪ねてました。

菜月:私の中で、子どもに生きる力を身につけさせたいっていうのが、結構大事にしているテーマとしてあって。都会と比べると勉強のこととか、学校あんまりないじゃんとか、そういう不安は未だにあるし、今後どうなっていくか分からない部分もあるけど。でも、やっぱり何をするにしても、自分でどうにか切り拓いていく力、みたいなものを持っていれば、なんとでもなるかなって思うので。今、子どもを見てるとね、自分で選んで「やる!」って力が、すごく身についてると思う。

成介:そうそう。子どもにとって、今、その時間だと思うんですよね。端材とか、石とか、花とか、なんでも遊びにしちゃうんですよ。やっぱり、ここでそういう遊ぶ力とかね、自分で考えて、これしよう!って思う力とかっていうのを身につけて欲しいなと思いますね。色々与えすぎなくてもね。ある程度放っておいたら、自分で外に出て行って、いろいろなところで逞しく歩いてる。

菜月:うん、オモチャ、いらないもんね。今は、お茶の実を集めるのがブームみたい(笑)子どもがそうやって遊んでる姿を見ると、こっちもすごい満たされるし、「ああ、間違ってなかった」って、すごく思います。けっこう、会社の友達とか遊びに来てくれるんですけど、みんな、「わぁ、いいなぁ。自然に囲まれた暮らしはいいねぇ」とは言うけど、でも実際にそれを選ぶ人は、なかなかいなくて。「いやぁ、でも遠いし、不便だし、地域とどうしてんの?」みたいな。移住してみたら、そんなことも全部ひっくるめて楽しめているんですけどね。何かを犠牲にして田舎に住んでいるっていう感覚はないかなあ。

成介さんと菜月さんご夫妻

成介:そうですね。幼稚園のお迎えもあるので、お互いにリモートワークの日と、出勤日でシフトを調整しながらって感じです。

成介:渋谷に住んでた時と比べたら、もちろん大変だけど、まぁでも、飯能から渋谷まで一本で行けるし、大変すぎて後悔するってことは全くないですね。
電車で帰って来て、駅を降りた瞬間に「あぁ、全然空気違う~」って。そこから、車で峠越える時に窓を開けると「あぁ~気持ちいい~」って。

成介:それで車をバタンと降りたら、「星、綺麗やなぁ」って家に入っていく。っていう感じでホッとするし、いい感じでオンとオフの切り替えになってるかな。


蚊取り線香から始まったお付き合い

成介:まあ、やっぱり地域のコミュニティに関する不安はありましたよね。田舎に行って、お隣さんと合わなくて、結局…とかっていう話も聞くし。実際、入ってみないと、分かんないところですよね。だから、地鎮祭をやる時、事前に「お騒がせします」といった文面の手紙を送ったりはしました。渋谷から手紙を送って、お隣さんはどんな人だろうと思って地鎮祭に来てみたら、ご夫婦で「椅子と蚊取り線香、貸してあげるよ」って。夏に短パンで来てたから、ヤバい!って思ったみたいで(笑)

菜月:お隣とは、それからもう2年くらいになるけど、今では娘が懐きすぎちゃって。1人で遊びに行っちゃうぐらい。

成介:引っ越してきた日にも、さっそくお花見に誘ってくれて。2人で荷解きしてたら「ピンポン!」って鳴って、まだご近所さんに挨拶回りもできてないのに、誰だろう?と思ったら、ノリピーとジュジュが「お花見してるけど、来るぅ?」って(笑)

成介:あ、そうそう。お隣の塩野ご夫婦のことを、ノリピーとジュジュって呼ばせてもらってて。引っ越ししてすぐの時から、すごくいい距離感でお付き合いさせてさせてもらってます。


実は、お隣の塩野ご夫妻にもスタンバイしてもらってました。


ここからは、4人にお話を伺っていきます。

ジュジュ:せいちゃんと、なっちゃんかな。

菜月:最初はじぃじ、ばぁばって呼ばせようとしたんですけど、娘がずっと、じぃじがうまく言えなくて「ジュジュ」って言ったので、ジュジュなの。

成介:典子さんのことは、僕はノリピーとか呼んだりしますけど(笑) 「ばぁば」って呼ばれるのも、ちょっとあれかなぁっと思って。

ノリピー:お気遣いなく。自分で「ばぁば」って呼んじゃってるから。

成介:いやぁ、本当にそうなんですよ。最近は、娘と2人で遊んでいても、「もうジュジュのとこに行く!」って、すぐあっちに行っちゃうの。だから、もうお任せしちゃおうって。昨日なんかも、ジュジュと2人で座って遊んでいるのを、遠目に見てるという…(笑)

ジュジュ:ええ、どんな人かな、ってだけ。ただ、こんな山ん中へ来るんだったら、変わりモンだろうな、って(笑)

成介:変わりモンなのは間違いない(笑)

ジュジュ:古くからいるから、新しく来たから、とかは関係なくて、あとは人間的なもんで、うまく付き合っていけるかどうか。それだけで、コミュニケーションさえ取れればさ、全然問題ないじゃない。

成介:それはめっちゃ感じますね。名栗の人って、あんまり「お前ら、外から来たんだろう」っていう感じはまったくない。

ジュジュ:だとしても、俺はまさかもう獅子舞保存会に入るとは思わなかったよ(笑) でも、やっぱり、そうやって積極的に関わろうとしてくれると、こっちも嬉しいよね。


成介:草刈りとか、地域のいろんな行事もあるんですけど、それがなぜか全くネガティブに映んないのが、僕、不思議で。面倒臭いじゃないですか、普通に考えたら。でも、「あ、今日は地域の草刈りか」っていう感じで行けるのが、やっぱり自分の町というか。自分の役割がしっかりあるって思うと、なんかそこがね、すごい不思議なんですよね。普段から、近所と地域とすごく仲良くさせてもらえてるし、すごい住みやすい。

菜月:あと、やっぱり娘がいたのも大きいかな。多分、夫婦2人だけで来たら、こうはなってなかったと思う。毎日隣に遊びに行く理由もないし。娘がいて、私も育休中だったから、毎日暇だし、どこ行っていいか分かんないし、みたいな時に、塩野家が庭で遊んでるから、ちょっと一緒に遊びに行って、みたいなことをやってるうちに、もうどんどん懐いていって、っていう感じだったんですよね。今では私たち親より可愛がってる(笑)。

ノリピー:お互い行き来できるように、抜け道が三本あるんです(笑)

玄関開けるとすぐに抜け道


名栗をもっと楽しいところに

成介:いつも菜月と話したりするんだけど、「本当、実家の横に住むよりも気を遣ってない」って(笑)そう言うと失礼かもしれないけど。

ノリピー:いえいえ、そう言ってもらえると、すごい助かる。

菜月:そうそうそう、なんか変に遠慮したりとかもねぇ。

ジュジュ:最初はやっぱり、あんまりこう踏み込んでもいけないし、引いてもいけねえし、距離感っつうの。ちょっとね、そういうのはあったんだけど、もう全然関係ねえな。

菜月:犬を飼ってるので、散歩に行くんですよ。そうすると、最初はいろんな人から「どっから来たの?何者?」みたいな(笑) 向こうから話しかけてくれて、挨拶すると、まあ覚えてくれて。野菜くれたりとか。なんかそういうのもすごく嬉しい。都会に住んでる時って、逆に同じマンションのフロアでも、顔は知ってるけど、なんか挨拶していいのかな?みたいなね。なんとなく交わしてはいるけど、そういう逆の気を遣いながら過ごしてた感覚がすごいあって。それがこっちに来たら、みんな「ほんじゃ、ほんじゃ」みたいな感じで、別に顔知らなくても挨拶してくれるし、そういうところが、逆にすごい気が楽だなぁって。

菜月:あと、私思うのが、パパたちのこと。超喋るじゃないですか。なんか普通、こんなパパ同士で1時間も2時間も話さないじゃないですか。ママ同士は教育の話とか多分するんだろうけど、子どもの集まりとかで、パパ同士もみんなすごい話してるから、何をそんなに話してるんだろう?って思った。

成介:確かに。こっち来て最初、パパ同士がずっと話してる!って、びっくりしたね。

菜月:そう、それも都会では見なかった光景かなーと思う。みんな、この地域で何かをしたいっていう熱い想いがあるよね。

成介:やっぱ変なこと考えてきた人が多いから(笑) そっちは最近、何考えてんの?みたいな感じ。

菜月:移住してきた方々は、そういう人が多いじゃないですか。何かこういうことがやりたい、とか。だからまぁ、子どもの子育てでっていう観点もあるけど、なんか大人もすごい楽しんで暮らしてるなぁって。

ノリピー:最近、本当に世代が変わった感がある。少し前まではやっぱりね。名栗って、こう飛び抜けるっていうのが許されない感じもあったの。だから、今はすごくいい時って思います。刺激的な人達が来やすくなったと思う。いろんなことができる。うん、やり放題、やり放題(笑)

成介:せっかくね、引っ越してきたから、飛び抜けたいね。

ノリピー:それでみんなで飛び抜けられたら、楽しそうじゃない。やりたいことやって、名栗をもっと楽しいところにして欲しいかな。


移住先に待っていたのは

“移住をする”ことを選んだ、池田夫妻を待っていたのは、こんなにも素敵な出会いでした。
人と人とが出会うということは、新しいきっかけや価値観と出会うということ。そしてそれは、新しい自分に出会うということかもしれませんね。池田&塩野ご夫妻のお話を伺いながら、そんなことを考えてみたり。

今はまだ、想像もしていないようなことに、これからもたくさん出会えますように。


インタビューが終わるや否や、こんな感じでした。



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