名栗川橋(なぐりがわばし)は、入間川上流に架かる大正13年(1924)に竣工した鉄筋コンクリートアーチ橋で全長31メートル40センチメートル、幅3メートル90センチメートルです。
建造当時、県下で唯一の鉄筋コンクリート造のアーチ橋であった比企郡玉川村(現ときがわ町)の玉川橋を実地踏査した上で、アーチ部分は県土木技師の櫻井哲三郎、床盤(橋梁本体)は川越工区長の小林近蔵、高欄は浦和工区長の松井某技手が設計を担当しました。県内に現存するものとしては最も古く、全国でも初期のものとされています。
この橋の建設前には木造の「太喜橋(だきばし)」がありましたが、明治43年(1910)年の大洪水で破損しました。その後仮設の橋が架けられましたが、永久橋を望む声が上がり、下名栗区の予算、県の補助金、利用者からの寄付金により、大正13年4月に着工、9月に完成しました。9月21日には竣工式が行われ、10月1日には県知事、県議会議員、工事功労者のほか多くの一般参列者を迎え、開通式が盛大に行われました。
現在でも、車輛が渡れる橋として使われています(重量制限がありますのでご注意ください)。
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